大工志塾2期生修了研修―神流町町営住宅・石場建て板倉構法―

今年もやってまいりました大工志塾修了研修

本年は2期生による刻みです

協力していただいている神流森林組合の作業場にある製材機で、丸太の太鼓挽きを研修を兼ねて体験しました。

ウッドマイザー社の簡易製材機で、最近ではこれを取り入れて自社で製材を行う工務店が増えてきています。

大阪ではコスト面であまり現実的ではないかもしれないですね。

とてもキレイな目の太鼓丸太です

挽いてみてのお楽しみというワクワクがあり

これは大当たりです!

リスクはありますが、丸太で買い、製材することで、

価格が安定するようになります。

こうして製材された杉を、塾生達で墨付けをし、刻んでいきます。

講師は様子を見ながら口出ししたり、部材の墨付け、刻みのチェックを入念にします。

基本塾生で全て完結できればいいのですが、

建物の規模、人数的にどうしても厳しいので、

講師の大工志も刻みに参加せざるを得ません。

塾生にとっても、見ることで学べることもあると思うので、

それもまた良しと思います。

材が大きく、手道具による加工なのですごく手間がかかるのですが、楽しんでやってもらえているようでした。

そして建前です。

まず建て起こすために、板倉の板をハメ、窓台、まぐさを繋いでから起こす作業です。

これも今一般的な在来工法とは異なる建て方です。

納め方を考えながら組むのも、木組みの醍醐味です。

柱は石場建てとなり、地面と緊結させないことで

地震による力を直接受けないようにする

昔ながらの伝統構法です。

阪神淡路大震災などの大地震時、この石場建ての家だけが残った地域もあると聞いたことがあります。

家とは1000年以上による大工の歴史で、

その積み重ねで答えが出ています。

日本において、これこそが1番の建築です。

それに習い、継いでいくこと。

これが失われると日本の建築は脆弱になります。

折り置き組による木組みで、家全体で力を受け流す頑丈な構造になりました。

大きな見せ場となる今回の目玉は、やはり丸太組みです。

2本の丸太が交差し、さらに勾配もつけてあるというかなり骨のある仕事でした。

貫通させた大きな栓で繋いであります。

 

今年は雨もあり、規模もかなり大きくなったため、上棟途中で研修が終わってしまったのが残念ですが、塾生にとって非常に大きな経験になったのではと思います。

今回頑張った2期生の、今後の活躍を心より祈ってます。


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